「不動産投資をはじめようかと思っている」と家族や友人に話したら、3割ぐらいの人が「不動産投資はやめとけ!」「不動産投資はやめといた方が良いよ。」と言われるのではないでしょうか。
- なぜ、不動産投資はやめとけと言われるのか?
- 本当に不動産投資はやめといた方が良いのか?
- 本当に不動産投資はやめといた方が良い人の特徴
について解説します。
不動産投資はやめとけ!と言われる理由
- 「借金をすべきではない」という日本人の考え方
- 騙された人のニュースや噂を聞く
- 不動産会社の営業マンに良い印象がない
- 人口減少の中、空室リスクがある
- 妬み・嫉妬
本当に不動産投資をやめといた方が良い人
- 収入が少なすぎる人
- 自己資金が少なすぎる人
- 情報収集をする時間的な余裕がない人
- 面倒なことをしたくない、人任せにしたい人
- 不動産投資に興味がない、楽しめない人
目次
なぜ「不動産投資はやめとけ」と言われるのか?
理由その1.「借金をすべきではない」という日本人の考え方
まず、大前提として
不動産投資は、多くの投資家は自己資金だけではなく、借入をしながら運用規模を大きくしていく投資
です。
貯金1,000万円のキャッシュだけで不動産投資をしようとしたら、郊外の築年数30年、40年という戸建てやワンルームマンションしか購入できません。上手く回っても、利回り10%程度ですので、毎月8万円程度の収入に留まってしまうのです。築年数が数十年となると修繕費用だけでもばかになりません。
仮に、貯金1,000万円を自己資金として、9,000万円の借り入れをすれば、1億円で新築アパートを都内に建てることもエリアによっては可能です。利回りは5%程度に下がってしまいますが、新築であれば、これから30年、40年と安定した収益が見込めます。
そうなると、大多数の不動産投資家は「自己資金+借入」という形で、不動産投資を行うため、「借入 = 借金」に対して、ネガティブになる周囲の方からは
「不動産投資は、借金しなければならないからやめといた方が良いよ。」
と言われてしまうのです。
日本では長らく、貯金が美徳という文化が根付いており、「借金 = 悪いこと」というイメージが定着してしまっているのです。「借金」に持つイメージが多重債務者のような生活ができないから借金をするようなイメージで止まっているのです。
借金をする必要がある不動産投資 = 悪いもの
と考える方は「不動産投資はやめとけ」と言ってくるのです。
「借金」を理由に不動産投資をやめる必要はないの?
ありません。
生活ができない方が借金をして、不動産投資をするのであれば、それは止めなければなりませんが、資金にある程度の余裕があって、安定した収入がある方であれば「借金をすること」を理由に不動産投資を止める必要はありません。
なぜなら、
不動産投資は、借金をして、不動産という資産を手にする投資
ですから、万が一、借金が返せなくなったら、不動産を売却してしまえば良いだけです。借金の代わりに不動産を手に入れているのですから、大きく値崩れしない不動産に投資をするのであれば、借金とカウントする必要はないのです。
お金を借りた分、同等の価値がある不動産という資産を手に入れられるのです。
生活苦で借りる借金とは、借金の性質が異なります。
理由その2.騙された人のニュースや噂を聞く
不動産投資で騙されたという人のニュースや噂は、頻繁に発生し、広がってしまいます。
最近のニュースで言えば「かぼちゃの馬車事件」が有名です。
かぼちゃの馬車事件
2018年5月、株式会社スマートデイズが女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」への投資を、家賃を保証する(サブリース)の形で不動産投資家に投資家に持ち掛けた事件のこと
サブリース自体は、不動産投資では一般的なことで問題はありませんが、スマートデイズから「かぼちゃの馬車」オーナーへのサブリース賃料の支払いが滞ることで、事件となりました。スマートデイズの2018年3月時点の負債総額は約60億円と報道され、破産しました。
不動産投資家は、銀行から融資を受けて「かぼちゃの馬車」のシェアハウスを建設したのですが、サブリース契約がスマートデイズの破産によって、消えてしまったのですから、自分で運営しなければならない状態になりました。しかし、フタを開けてみると、狭くて、相場よりも高い家賃設定では、入居率は4割程度で、まったく利益がでない状態だったのです。
このような話を身近で聞いてしまった、ニュースを見た人からすれば
「不動産投資は騙されるケースも多いのでやめといた方が良いよ。」
とアドバイスしてくるのです。
「騙されること」を理由に不動産投資をやめる必要はないの?
ありません。
騙されなければ良いと言ってしまうと、元も子もありませんが・・・
自分でしっかり不動産投資を学んだ人であれば「かぼちゃの馬車」の事件に巻き込まれることもないのです。
なぜなら「かぼちゃの馬車」は
- 個室が5畳未満
- リビングのようなくつろげるスペースなし
- 駅から遠い
- 割高な建設費
という不動産投資の基本から外れたような物件でした。いくら家賃4万円でも、これでは住みたいと思う人はなかなかおらず、入居率4割という残念な結果での不動産運営となっていたのです。
少しでも、自分で不動産投資を勉強していた方なら、スマートデイズが提案してきた「かぼちゃの馬車」の投資案件に対して
- 建設費が相場よりも割高ではないのか?
- 家賃が相場よりも割高ではないのか?
- 他のシェアハウスと比較して魅力がないのではないか?
- 駅から遠くて学生が入るとは思えない
と、疑問を感じて断ることができたはずなのです。
結局、最後は自分で判断することになりますが、不動産投資を自分で勉強してきた方であれば、浅はかな投資提案、危険な投資提案には、敏感にアンテナが反応するはずです。知識を学んで、慎重に事を運ぶ姿勢さえあれば、騙されるリスクは回避することができるのです。
理由その3.不動産会社の営業マンに良い印象がない
多くの方が日常生活の中で、一回以上は不動産屋さん、不動産会社の営業マンとコミュニケーションを取ったことがあるかと思います。
多くの不動産会社の営業マンは、基本給+歩合制で給料が決まります。大抵は、歩合制の方がウェイトが大きく、不動産会社の営業マンは、営業成績をどこの業界よりも、追いかけていると言っていいでしょう。
だからこそ、
- 大げさにメリットを言う
- 物件のデメリットについては話さない
- 決める気がないと思ったら、途端に冷たくなる
- 質問に丁寧に答えてくれない
- こちらが希望する物件ではない物件をすすめてくる
- 多くの内見を依頼すると面倒くさそうにされた
という対応を取る営業マンも、存在するのです。
上記のような不動産会社の営業マンとコミュニケーションを取ったことがある人ほど
「不動産投資は、不動産会社の営業マンに騙されるケースも多いのでやめといた方が良いよ。」
と言ってくるのです。
「不動産会社の営業マンに騙される可能性」を理由に不動産投資をやめる必要はないの?
ありません。
不動産投資をするのであれば、10人、20人・・・100人ぐらいは不動産会社の営業マンとコミュニケーションを取ることになってきます。
多くの営業マンと会えば会うほど、話せば話すほど、誰が信頼できる人で、誰が信頼できない人かは、おのずとわかってきます。
不動産投資のリスクをしっかり説明した上で、こちらの要望を聞いてくれて、稼げそうな情報をリスクと共に提示してくれる営業マンも、いっぱいいるのです。
要は、不動産会社の営業マンも、目利きしなければならない対象であり、不動産投資に本気で取り組めば、おのずと信頼できるかどうかを判断できるようになるのです。
理由その4.人口減少の中、空室リスクがある
日本の人口は、減少し続けています。
世代別人口、高齢化率、生産年齢人口比率の推移
マンションストック数
日本人の人口減少し、高齢化が進む中で、マンションのストックは増え続けている状況です。
理論的に考えれば
「日本の人口が減っている中で、マンションが増えている現状では、空室リスクも大きくなる一方だから、やめといた方が良いよ。」
と指摘されてしまうのです。
これは、一理はある指摘と言えます。
「人口減少による空室リスクの増大」を理由に不動産投資をやめる必要はないの?
ありません。
日本全体で考えれば、かなりのスピードで人口が減少しています。
しかし、東京都に限って言えば
東京都の人口推移
と、人口は伸び続けているのが現状です。
東京などの都市部へ人口が集中し、地方がより人口減が目立つ結果となっている
ということなのです。
東京都などの都市部で不動産投資をする分には、人口が増加しているため、ニーズの現象はなく、空室リスクも抑えられるのです。
気を付けなければならないのは、地方での不動産投資です。地方の物件は、投資金額が安くなる半面、空室リスクは都内の何倍も大きく、ニーズが少ない中での取り合いになっています。地方の物件は、不動産投資の投資経験が十分なレベルになってから検討しましょう。
理由その5.妬み・嫉妬
友人や知人に
「不動産投資をやっていようと思ってる。」
と打ち明けたときに
「同期が、不動産投資でいっぱい稼ぎ始めたら、どうしよう。」
と、嫉妬心から
「不動産投資は危ないらしいよ。やめておいた方が良いよ。」
と根拠のない引き留め工作をしてしまう方も多いようです。
「嫉妬」を理由に不動産投資をやめる必要はないの?
ありません。
堅実に不動産投資をしていれば、友人関係が壊れるようなものではないので、とくに気にする必要はありません。
まとめ
前述した通りで
- 「借金をすべきではない」という日本人の考え方
- 騙された人のニュースや噂を聞く
- 不動産会社の営業マンに良い印象がない
- 人口減少の中、空室リスクがある
- 妬み・嫉妬
という理由から、周囲の人に
「不動産投資はやめとけ!」
「不動産投資はやめといた方が良いよ。」
と言われることは、仕方ないことです。
しかし、周囲の人の「やめとけという意見」は、参考にすべき点もあるものの、鵜呑みにし過ぎる必要はなく、努力で回避できるリスクに他なりません。
周囲の人に「不動産投資はやめとけ」と言われたら
何を危惧してやめとけと言ってくれているのか?
を細かく聞いたうえで、自分がそのリスクを回避できるのかをじっくり考えて、不動産投資にチャレンジすると良いでしょう。
今現在、何億、何十億という稼ぎや資産がある不動産投資家も、自分でやりはじめるときは、多くの方から「不動産投資はやめとけ」と言われているのです。
リスクを取らないとリターンもありませんが、リスクは、努力で抑えることができます。努力をしながら、不動産投資の知識を増やし、リスクを抑えながら、不動産投資をすることをおすすめします。
本当に不動産投資はやめといた方が良い人の特徴
「不動産投資はやめとけ!」と言われる理由は理解できたかと思います。
実際に不動産投資をやめておいた方が良い人の特徴は以下になります。
- 収入が少なすぎる人
- 自己資金が少なすぎる人
- 情報収集をする時間的な余裕がない人
- 面倒なことをしたくない、人任せにしたい人
- 不動産投資に興味がない、楽しめない人
- 新築のキラキラ物件ばかり買いたがる人
です。
収入が少なすぎる人
不動産投資は、数千万円、数億円という資金を動かす投資になります。
大抵の投資家は、銀行から融資を受けて不動産物件を購入することになるのです。
銀行の融資の審査では、年収の金額と安定性が重要になってきます。
必要な年収のイメージとしては
- 2,000万円~5,000万円の区分マンションの投資 → 年収500万円以上の正社員
- 5,000万円~1億円の一棟アパートの投資 → 年収700万円以上の中堅、大手企業の正社員
- 1億円~の一棟マンションの投資 → 年収1,000万円以上の大手企業の正社員
というぐらいです。
少なくとも、日本人の平均年収である459万8,000円(※厚生労働省の賃金構造基本統計調査/令和2年)は超えていかないと、銀行からの融資を受けるのは、かなり難しくなってしまうのです。
収入が日本人のサラリーマンの平均年収を下回ってしまう方の場合、なかなか銀行から融資が下りず、無理に融資を下ろそうとすると、スルガ銀行やアルヒの融資審査資料改ざんのトラブルにはまってしまうのです。
収入が少なすぎる方には、不動産投資はおすすめできません。
自己資金が少なすぎる人
不動産投資では、一般的に1割~2割を自己資金で、8割~9割を融資して、物件を購入するのが一般的です。
銀行や物件によっては、フルローン(物件の金額全額を融資で賄う)ことも可能です。
じゃあ、別に自己資金なくても、不動産投資できるのでは?
そうではないの。
フルローンが使える物件、金融機関というのは限られていて、自己資金を使った借入れよりも、金利が割高に設定されるのが一般的です。自己資金が必要ない代わりに利息負担が膨らんでしまいます。
また、自己資金がなく物件の購入金額全額が借りられたとしても、購入に係る諸費用(不動産仲介手数料や司法書士報酬、登記費用など)は、自分で支払う必要があります。物件によりますが、数十万から数百万円の諸費用負担が発生するのです。当然、税金も、自分で毎年支払う必要があります。
さらに、不動産を持ってからも、設備の故障やシロアリなどの対応など、突発的な出費が発生してしまいます。資金に余裕がない状態で不動産投資をしてしまうと、不動産の維持も厳しくなってしまうのです。
このような理由から、最低でも、投資物件の1割の自己資金と、100万円以上の余裕資金がないと、不動産投資をするべきではないと考えます。自己資金が少なすぎる人は、不動産投資に向いていないのです。
情報収集をする時間的な余裕がない人
不動産投資では、情報収集が大きなカギになります。
毎日、数百件の物件情報を頭に入れて、週に何件かは内見に行くぐらいの行動力と情報収集力がないと
- 検討している物件がお得な物件なのかどうか?
- 物件を選ぶときに何を見るべきなのか?
- 周辺の相場はどうなっているのか?
を把握するのは難しいのです。
不動産のポータルサイトで数値だけで検索している状況では、なかなか本当の投資すべき物件の見極めができず、失敗する可能性が高まってしまうのです。
副業などでも、不動産投資は可能ですが、毎日ある程度の時間は情報収集にかける必要が出てきます。情報収集をほぼせずに不動産投資をしようとしている方には、不動産投資はおすすめしません。
面倒なことをしたくない、人任せにしたい人
不動産投資で失敗しやすい人は
- 不動産屋に物件の選定を任せてしまう
- 管理会社に物件の管理、客付けを任せてしまう
- サブリースで契約してしまう
サブリースとは
不動産管理会社がオーナーからアパートをまるごと借り上げ、それを入居者へ貸すビジネスモデルのことで、オーナーにとってみれば、人が入っても、入らなくても、家賃の支払が保証される仕組みとなっています。
なぜ、人に任せてはいけないの?業者を使うのも、不動産投資家の役割なのでは?
はじめから人任せだと、自分の中での不動産投資のノウハウが身に着かないからよ。
大抵の成功している不動産投資家は、物件の選定、物件の管理、客付け、リフォーム・改修などを自分で行った経験があります。自分でできるからこそ、業者に依頼したときに的確な指示が出せるのです。
自分でやったことがなく、どう指示して良いのか、わからない状態で業者に依頼してしまうと、後は「お任せで」ということしかできず、徐々に、業者の都合の良い物件、都合の良い契約、言い訳で固められて、不動産投資は失敗に終わってしまうのです。
人任せにする人には、不動産投資はおすすめしません。
不動産投資に興味がない、楽しめない人
人任せにすることと共通していますが、不動産投資自体に興味を持って、色々勉強していかないと、不動産投資は上手く行きません。
勉強することが山のようにあるのです。
不動産投資は、投資の選択肢の一つぐらいで、片手間に考えていて、勉強する気があまりない人は、不動産投資は上手く行かないケースが多いのです。
まとめ
「不動産投資はやめとけ!」と言われたときに
自分が
- 収入が少なすぎる人
- 自己資金が少なすぎる人
- 情報収集をする時間的な余裕がない人
- 面倒なことをしたくない、人任せにしたい人
- 不動産投資に興味がない、楽しめない人
に該当する場合には、本当に不動産投資はやめておいた方が良いです。
逆に
- 収入が500万円以上ある人
- 自己資金が数百万円ある人
- 情報収集をするための時間が作れる人
- 自分で手間を惜しまず、不動産投資ができる人
- 自分で楽しみながら勉強して、不動産投資ができる人
には、不動産投資で成功する可能性があります。
ぜひ、不動産投資にチャレンジしてみましょう。